はえぐせの監督コラム 第7弾・後編
こんにちは。
はえぐせの監督です。
前回は、カットが大好きだった私が「生えグセ」という壁にぶつかり、0から研究を始めたお話をしました。
そして研究を重ねる中で、
「髪の根元付近に一定の力を加えながら擦ることで、毛流れに変化が生まれ、その状態が一定時間保たれる。」
そんな現象に気づきました。

でも、ここからが次の壁でした。
「これを美容師の技術として、どうやって再現する?」
答えは一つ。
そのための道具を、自分でつくるしかありませんでした。
もちろん、頭の中にある道具はどこにも売っていません。
まずは「こんな形ならできるんじゃないか?」と、イラストを描くところから始めました。
そして次に手にしたのが……
なんと「紙粘土」です(笑)。
美容師が突然、紙粘土。
でも本人は大真面目です。
頭の中にある形を実際につくり、
「ここはもっと細く。」 「この角度は違う。」 「頭皮にあたる先端は滑らかに。」
作って、試して、また作る。
紙粘土だったものが少しずつ形を変え、いくつもの試作品を経て、現在のACコームの原型へと進化していきました。
形が見えてきたら、次は実際に金属の道具として形にする必要があります。
ところが、ここでまた問題発生。
こんな形の道具は、今まで誰も作ったことがありません。
「これ、作ってもらえませんか?」
……そう簡単にはいきませんでした。
日本中の工場を探し続け、ある方からのご紹介で、ようやく大阪の工場と出会うことができました。
そこからは神奈川と大阪を何度も往復。
工場長と何度もミーティングを重ねながら、試作品を作っては修正し、少しずつ理想の形へ近づけていきました。

特に妥協できなかったのが、施術で重要となる「ショルダーポイント」と「トゥース」です。
ほんのわずかな形の違いでも、私にとっては大きな違い。
最初の50本を仕上げたときには、なんと7時間×2日間。
一本確認して、削って、また自分の頭で試す。
納得できなければ、また調整。
それを何度も繰り返しました。
気がつけば……
髪も身体も金属の粉まみれ(笑)。
「そこまでやる?」
と思われるかもしれません。
でも、そこだけは絶対に妥協できなかったんです。
工場長もそんな私の想いに賛同してくれ、二人三脚で細部までこだわり抜いてくれました。
私のこだわりにお付き合い頂いた工場長には感謝しかありません!
そうして、ようやく「ACコーム」が完成しました。
一枚のイラストから始まり、紙粘土で形をつくり、何度も失敗して、試作品を重ね、日本中の工場を探して、約2年の歳月をかけて、ようやく完成したものです。

そこには、開発に携わってくれた方々の技術と時間。
そして、
「生えグセで悩む人を笑顔にしたい。」
という私の想いが詰まっています。
だから今でも、ACコームは一本一本、自分の頭で厳しくチェックしています。
私にとっては、
「一本一本に魂が込められたコーム」
なのです。
だからこそ、このコームは、お客様の悩みに本気で向き合う志の高い美容師さんたちに扱ってほしい。
そう思っています。
そう言われて、やりたい髪型を諦めてきたお客様の夢を、美容師の力でもう一度叶えてあげたい。
その想いから、エンジェリックケアは生まれました。
そして今、お客様から、
「感動しました!」
「もっと早くこの技術に出会いたかった。」
そんな言葉をいただくことがあります。
その瞬間が、私は何より嬉しい。
あの紙粘土から始まった小さな挑戦が、お客様の笑顔につながっている。
そう思うと、
「あのとき諦めなくて、本当に良かった。」
と心から思います。
一本のACコームから、一人でも多くのお客様の夢を叶える。
それが今も変わらない、私の願いです。
ACコームが完成し、エンジェリックケアという技術が誕生しました。
しかし、今度は新しい想いが生まれます。
「この技術を、自分一人だけのものにしていていいのだろうか?」
一人でも多くのお客様の悩みを解決するには、この技術を美容師さんたちへ伝えていかなければならない。
次回は、一人の美容師から始まった技術が、どのように「エンジェリックケアアカデミー」へとつながっていったのか。
新たな挑戦の物語をお届けします。
エンジェリックケアは、お客様と美容師の未来をより豊かにつなぐために生まれた技術です。
このコラムでは、難しい毛髪理論を並べるのではなく、
「へぇ!」「なるほど!」「それなら分かる!」最初は
そう思っていただける内容を、美容室での出来事や身近な例えを交えながらお届けしていきます。
「明日、鏡を見るのが楽しくなる。」
そんなコラムを、これからもお届けしてまいります。
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