【第8弾】この技術を、自分一人だけのものにしていていいのだろうか?」

はえぐせの監督コラム 第8弾

「この技術を、自分一人だけのものにしていていいのだろうか?」

一人の美容師から、アカデミーへ。

こんにちは。

はえぐせの監督です。

前回は、紙粘土から始まり、何度もの試作を重ね、約2年の製作期間を経て「ACコーム」が完成するまでのお話をしました。

一枚のイラストから始まったものが、本当に美容師が使える道具になった。

あのときは、

「やっとできた!」

という達成感でいっぱいでした。

でも、ACコームが完成し、実際にお客様へ施術をしていく中で、今度は私の中に新しい想いが生まれ始めました。

「この技術を、自分一人だけのものにしていていいのだろうか?」

エンジェリックケアで生えグセを整えることで、

「前髪が割れにくくなった!」

「つむじが気にならなくなった!」

「今まで諦めていた髪型ができる!」

そんなお客様の声をいただくようになりました。

美容師として、もちろん嬉しい。

でも同時に、あることにも気づきました。

私一人が施術できるお客様の人数には、限界がある。

全国にはまだ、

「生えグセだから仕方ない。」

そう言われて、やりたい髪型を諦めている人がいる。

だったら、この技術を私一人のものにするのではなく、

「もっと多くの美容師さんに届けたい。」

そう思うようになりました。

でも、ここからがまた新しい挑戦の始まりでした。

技術をつくることと、技術を伝えることは違った。

自分では当たり前のようにやっていることでも、人に教えるとなると話はまったく違います。

「このくらいの力で」

「この角度で」

「こんな感じで動かして」

……これでは伝わりません(笑)。

自分が感覚でやっていたことを一つひとつ整理し、

なぜ、この場所にコームを当てるのか。

なぜ、この方向へ動かすのか。

どこに力を加えるのか。

誰が学んでも理解し、再現できる「技術」にしていく必要がありました。

そして私は、ここでも一人ではありませんでした。

一人では、アカデミーにはできなかった。

そのとき、大きな力になってくれたのが、現在もエンジェリックケアアカデミーを支えてくれているアドミニストレーターの存在です。

私の頭の中には、

「生えグセで悩むお客様を笑顔にしたい。」

「この技術を、もっと多くの美容師さんに伝えたい。」

そんな想いはたくさんありました。

でも、想いだけでは人に伝えることはできません。

私が技術への考え方や想いを伝え、それをアドミニストレーターが整理する。

そして制作会社と何度もやり取りを重ねながら、テキストや教材として一つひとつ形にしてくれました。

技術をつくる私と、それを「伝わる形」にしてくれる存在。

この二人三脚があったからこそ、エンジェリックケアは少しずつ広がっていったのだと思います。

私一人では、技術を生み出すことはできても、ここまで「人に伝えられる技術」にはできなかったかもしれません。

「想い」が「学べる技術」へ。

私がゼロから研究して生み出した技術。

その想いを受け取り、人に伝わる形へ整理してくれる人がいる。

そして、それを学んでくれる美容師さんがいる。

そうやってエンジェリックケアは、

「一人の美容師の技術」から、

「美容師が学び、次のお客様へ届けられる技術」

へと少しずつ変わっていきました。

そして、その先に生まれたのが、

「エンジェリックケアアカデミー」です。

私が目指したかったのは、ただ資格を発行するだけの場所ではありません。

エンジェリックケアを通して、

お客様の「仕方ない」を減らせる美容師を増やすこと。

そして、

「この美容師さんに出会えてよかった。」

そう思ってもらえる美容師を、一人でも多く増やすこと。

それが、アカデミーをつくった理由です。

一本のACコームから、仲間へ。

振り返ってみると、エンジェリックケアは私一人でつくり上げたものではありません。

ACコームを一緒につくり上げてくれた工場の方々。

想いを教材という形にしてくれたアドミニストレーター。

そして、技術を学び、お客様へ届けてくれている美容師さんたち。

たくさんの人の力によって、少しずつ育ってきました。

技術を伝えるということは、自分の技術を手放すことではありませんでした。

むしろ、

「想いをつないでいくこと」

だったんだと思います。

ACコームが完成したことは、ゴールではありませんでした。

あそこから、エンジェリックケアの本当の挑戦が始まったのです。

そして、その挑戦にはもう一つ。

美容師として、私がどうしても譲れなかったことがありました。

次回予告

道具が完成した。

技術も形になった。

でも、私はもう一つ、どうしても実現したいことがありました。

それは――

次回、第9弾。

「欲しかったのは、“モノ”の特許じゃない。」

美容師だからこそ、「技術」で認められたかった。

エンジェリックケア、特許取得までの物語をお届けします。

はえぐせの監督より

エンジェリックケアは、お客様と美容師の未来をより豊かにつなぐために生まれた技術です。

このコラムでは、難しい毛髪理論を並べるのではなく、

「へぇ!」「なるほど!」「それなら分かる!」

そう思っていただける内容を、美容室での出来事や身近な例えを交えながらお届けしていきます。

「明日、鏡を見るのが楽しくなる。」

そんなコラムを、これからもお届けしてまいります。