【第6弾】・前編 「生えグセだから仕方ない」

はえぐせの監督コラム 第6弾・前編

「生えグセだから仕方ない。」

その一言から始まった、エンジェリックケア誕生秘話

こんにちは。

はえぐせの監督です。

今回は少しだけ、昔の話をしたいと思います。

 

今では「生えグセ」に向き合うことが、私の美容師人生の大きなテーマになっていますが、最初からそうだったわけではありません。

 

私はもともと、とにかくカットが大好きな美容師でした。

 

「もっと上手くなりたい。」

「もっとお客様を素敵にしたい。」

そんな思いで、たくさん学び、ウィッグを使って何度も何度も練習しました。

練習すればするほど、カットは上達していく。

ところが、あるとき大きな「壁」にぶつかります。

ウィッグではできるのに、なぜ?

ウィッグでは思い通りに切れる。

なのに、実際のお客様の髪では同じようにならない。

 

前髪が割れる。

つむじが分かれる。

襟足が浮く。

根元が思った方向に動いてくれない。

 

「同じようにカットしているのに、なんでだろう?」

最初は、自分の技術が足りないのだと思いました。

 

でも、勉強しても、練習しても、どうしてもカットだけでは解決できないことがある。

そこで、ようやく気づいたんです。

 

「カットの問題だけじゃない。人間には、生えグセがある。」

ウィッグにはない「生え方」という壁が、実際のお客様にはあったのです。

今思えば当たり前のことかもしれません。

でも私にとっては、ここが美容師人生の大きな分岐点でした。

「ないなら、0から研究しよう」

そこから私は、生えグセを改善する方法を探し始めました。

いろいろな方法を試しました。

それでも、自分が本当に納得できるものには、なかなか出会えませんでした。

だったら……

「0から自分で研究してみよう。」

そう思ったんです。

 

顕微鏡を買い、頭皮用のファイバースコープを使って、髪がどのように生え、どう動くのかを観察しました。

そしてあるときは、自分の頭皮に赤いマジックで印まで書いて、

「髪の根元って、どう動いているんだ?」

と研究していました。

今考えると……

かなり怪しい美容師です(笑)。

でも、本人はいたって真剣です。

そして、一つの発見へ

そんな試行錯誤を繰り返す中で、私はある現象に気づきました。

髪の根元付近に一定の力を加えながら擦ることで、毛流れに変化が生まれ、その状態が一定時間保たれることに気づいたのです。

「これ……もしかしたら、生えグセに応用できるんじゃないか?」

何度も試していくうちに、それまで「仕方ない」と思われていた生えグセに対して、新しい可能性が見え始めました。

「生えグセだから仕方ない。」

美容師も、お客様も、どこかで諦めていたもの。

だったら私は、そこから目をそらさずに向き合ってみよう。

この小さな発見が、のちの「エンジェリックケア」につながっていくことになります。

でも、ここで新たな問題が出てきました。

この現象を、美容師の技術としてどうやって再現するのか?

そして、そのための道具はどうするのか?

答えは簡単でした。

どこにもないなら……

「自分でつくるしかない。」

次回予告

「世界にないなら、自分でつくる。」

最初に描いたのは、一枚のイラスト。

そして、そのイラストから生まれたのは……

なんと「紙粘土」の試作品でした。

作って、試して、壊して、また作る。

そこから現在のACコームは、どのようにして生まれたのか?

次回、第7弾・後編。

「最初は、紙粘土でした。」

一本のACコームに魂が込められるまで。

エンジェリックケア誕生秘話、その続きをお届けします。

はえぐせの監督より

エンジェリックケアは、お客様と美容師の未来をより豊かにつなぐために生まれた技術です。

このコラムでは、難しい毛髪理論を並べるのではなく、

「へぇ!」「なるほど!」「それなら分かる!」

そう思っていただける内容を、美容室での出来事や身近な例えを交えながらお届けしていきます。

「明日、鏡を見るのが楽しくなる。」

そんなコラムを、これからもお届けしてまいります。